銀行が融資する時に、個人事業主や代表者、法人所有の不動産に抵当権や根抵当権を設定することは行っています。
銀行の役割は個人事業主や法人の事業資金を出す＝産業の発展に貢献することが使命だからです。
しかし、それは「不動産担保ローン」という商品として、資金使途自由です、教育資金、レジャー資金、納税資金など用途自由です、担保評価で融資します、長期返済も可能ですといったものではありません。
事業資金でも、開業資金でも、赤字会社でも、１期の決算書がなくてもご相談に応じますなんて、不動産さえあれば貸しますよ的な商品ではありません。
このような人にはノンバンク、貸金業者が貸す、銀行は貸さないと常識で決まっていたのです。
もともと銀行には不動産担保ローンはなかったし、銀行が貸金業者のやっていることを真似するなんて考えられませんでした。
しかし、ここで貸金業法の総量規制によって個人向け融資の幅が削られたノンバンク・貸金業界と低成長・低金利で収益性の見通しが悪い銀行業界、とりわけ地方銀行の利害が一致するのです。
近年の銀行は、住宅ローンも教育ローンもカーローンもカードローンも扱い、消費者金融会社も傘下におさめ、そして、今度は不動産担保ローン・・・。
不動産担保ローンで複数のローンのおまとめも借り換えも銀行商品の有力な一部となってきました。
貸金業法の改正でノンバンクの締め出し、淘汰、規制強化が完成すると、代わりにそこに出来上がったのが銀行のノンバンク化ではないのか・・・なんて考えてしまいます。